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高い信頼性と省電力設計がWebサーバーの絶対条件
広告配信の基幹インフラをサポートするQuad Beagleシリーズ
インターネットにおけるアフィリエイト広告事業を中心に、幅広い広告主にサービスを提供している株式会社アドウェイズ。特にモバイルサイトでのアフィリエイト事業は業界でもトップシェアを誇っており、市場を強力に牽引する存在となっている。また、中国をはじめとした海外事業やソーシャルアプリケーション向けの広告事業、台頭するスマートフォンへの広告配信など多方面で広告ビジネスを展開しており、2006年の上場以来、右肩上がりの成長を続けている。そんな同社が展開する広告配信のインフラに採用されているのが、株式会社エーティーワークス(以下ATW)の省スペース省電力1/4Uサーバー「Quad Beagleシリーズ」だ。
サービスデベロップメントグループ
デベロップメントディビジョン
ヴァイステクニカルマネージャー
渡瀬 勇祐氏
高い故障率に悩まされ続けたブレードPCの置き換えを希求
インターネット広告を事業の中核に据えている同社にとって、Webサーバーはビジネスに欠かせない基幹インフラの一つ。現在はおよそ300台にも及ぶ大量のWebサーバーを自社で保有しており、数多くのラックをデータセンターより借り受けている状況だ。このインフラを安定的に動作させることは、同社のビジネスの生命線となる。このWebサーバーは、ノートPC用に開発されたPentium Mを搭載したブレードサーバーがこれまで採用されていた。「以前ラック内にサーバーを詰め込み過ぎたことで、ラック内のサーバーすべてをダウンさせてしまった経験があります。そのため、ラックあたりの消費電力には余裕を持たせながら、省電力CPUを中心にWebサーバーを構成するように心掛けています。」と語るのはサービスデベロップメントグループ デベロップメントディビジョン ヴァイステクニカルマネージャーの渡瀬 勇祐氏だ。
ビジネス規模が膨らむにつれてインフラ増強を続けてきた渡瀬氏だが、ブレードサーバーの処理能力低下に伴ってリプレースを行うべく、新たなインフラを検討することになったという。その際に選ばれたのが、シンクライアント環境を構築する際に用いられるブレードPCだった。「今どきのブレードサーバーを導入すると、例えば6Uの筐体だけで我々が想定するラックあたりの消費電力の上限に到達してしまいます。つまり、残りの40U以上が空いている状態に。サーバーの台数をある程度確保するためにも、省電力で使えるブレードPCを選択しました。」
しかし、CPU使用率が100%に到達するブレードが続出したり、ネットワークチップの不具合によって動作が不安定になってしまったりなど、ブレードPCの故障率が予想外に高かったという。「インターネット広告は、Webページの一部に埋め込まれているもので、きちんと表示しなかったとしても、わざわざリロードしてその広告を見る人は皆無です。だからこそ、安定して広告配信できるインフラがビジネス上欠かせません。」そこで、再びサーバーインフラの検討に入ることになったのだ。
予測しやすい消費電力とコストパフォーマンスの高さが魅力に
Quad Beagle
同社が選定ポイントとして挙げていたのは、消費電力がきちんと計算でき、信頼性の高いサーバーであることだと渡瀬氏は語る。「以前のブレードPCは、安価ではありましたがその分壊れやすい。”安かろう悪かろう”ではインフラ担当としては不安です。だからこそ、消費電力のみならず、信頼性についても重視したのです。」選定過程で複数の企業から提案を求めたところ、同社の要件を満たしたものがATWの省スペース省電力1/4Uサーバー「Quad Beagle」だった。「他社の製品は消費電力だけで基準を満たしてないことも多かったのが正直なところです。その点、ATWのサーバーは消費電力だけでなく、パフォーマンスも十分に発揮してくれるものでした。」
また、管理用のリモートコンソールをオプションで採用している同社にとって、管理コンソールのコストが他社に比べて半値以下で装備できるという価格面での評価も選定ポイントの一つに挙げている。さらに、Cent OSの標準サポートについては「これまで、Linuxはサポートされていない前提で環境を作り込むことが多かったため、当初は意識していませんでした。ただ、ドライバが認識しないなどインストール時に起こりやすい問題はまったく発生していません。環境構築時の作業負荷は軽減されています。」と渡瀬氏。当然、1/4という省スペースな設計だけに、ラッキングのしやすさも評価に繋がっている。
なお、安定性を重視する同社だけに、導入前のベンチマークも評価機を用いて実施している。管理コンソール上でJavaが安定して動作するかどうかの試験をはじめ、CPUが100%の状態での負荷テストや消費電力の計測などを行い、結果として同社の求める結果がQuad Beagleから得られたという。
トラブルなしの安定稼働!あらゆる場面で活躍するQuad Beagle
現在は、事業の中核であるモバイル向けの広告配信サービスを支えるWebサーバーのみならず、イントラネットやバッチ処理などを含めた外部連携、さらにはCitrix XenServerを搭載した開発環境としてもQuad Beagleが活用されている。全体で導入しているのは13台と未だ小規模に留まっているものの、「サービス向けのWebサーバーは、パフォーマンスが不足するたびにQuad Beagleによって補強している状況です。全体では300台以上のWebサーバーが稼働していますが、必要な場面で適宜増設していく計画です。」
基本的なポリシーとして、少人数でも運用できるようサーバー構成を共通化しており、メンテナンスの手間を可能な限り軽減したインフラ作りを目指している同社。今回の増設では、低消費電力ながら高いパフォーマンスを実現するCore2 QuadをCPUに採用し、メモリを最大8GBまで搭載、1台あたり80w程度の消費電力で運用している状況だ。「例えCPUが100%になっても、想定内の消費電力で運用できるスペックを選びました。当初は、Xeonの省電力タイプも考えましたが、コスト的に厳しい面があります。Core2 Quadが当社のインフラとしては最適でした。」なお、事前のベンチマークでは、他社製品ではメモリやディスクを増設するたびに消費電力が積み上がる状況だったというが、ATWのサーバーなら6割程度の消費電力で同様のパフォーマンスが発揮されているという。
実際の運用については、「ドライバ周りで問題が出たことも、ハードウェア的に故障したこともありません。導入して半年ですが安定稼働を続けています。」と渡瀬氏は満足げだ。かつて専用ホスティングサービス「at+link」を利用した経験があるだけに、その実績も高く評価している。また、技術に精通した営業マンの対応力や必要なタイミングで出荷される迅速な納品スピードも高く評価していると渡瀬氏は語る。
さらに、活用してみて感じたメリットの一つに、NICボードが3枚標準で装備されていることが挙げられると渡瀬氏。「開発環境でCitrix XenServerを利用していますが、仮想環境に対するマネジメント用ポートやVLANタグを割り当てるポートなどが必要です。3ポートあると使い勝手の良さが改めて実感できました。」
サービス拡張時のパフォーマンス不足を補うための強力な選択肢に
今後については「現在でも利用しているブレードPCの置き換えや新規のインフラ増設など、必要に応じてATWのサーバーを利用していきたい」と渡瀬氏は語る。Webサーバーの拡張としてはスケールアウトが基本的な考え方になるが、運用負荷を増やさないよう、ある程度のスペックを維持しながらWebサーバーを増設していく方針だ。モバイルサイトの広告配信サービスのみならず、他のサービスにも積極的に活用していきたいと今後の展望を語っていただいた。
株式会社アドウェイズ
- 所在地
- 東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー4F
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 岡村 陽久
- 事業内容
- インターネットやモバイルサイトにおけるアフィリエイト広告事業やスマートフォン向け広告事業を展開。また、中国を中心としたアフィリエイト事業など、アジアを中心に海外展開も積極的に行っている。
- URL
- http://www.adways.net