目次
自社での環境整備に欠かせない柔軟性と安定性を兼ね備える
省スペース設計と豊富なラインナップが魅力のradservシリーズ
社内SNSやブログなどソーシャルメディアをはじめとしたコミュニティ関連事業を展開している株式会社ガイアックス。ソーシャルメディアの構築や運営のみならず、Webサイトの構築やソーシャルアプリサポート、風評監視などWebに関連した様々なサービスも提供している。そんな同社が提供する各種サービスの基盤となるWebサーバーやDBサーバーに、株式会社エーティーワークス(以下ATW)が提供する1/2Uショートレングスサーバー「radservシリーズ」が採用されており、同社のビジネスを支える強固な基盤となっている。
R&D本部
運用技術部
部長
佐野 直也氏
データセンタの性能限界で必要になった省電力・省スペースサーバー
「Empowering the people to connect(人と人をつなげる)」という企業理念を掲げ、インターネット上でのコミュニケーションを育むプラットフォームとなるコミュニティ拡大に取り組んでいる同社。社内ブログやSNSなどコミュニティサイトの企画からシステム構築、インフラ運用、サイト運営までを一括提供するサービスを中心に、コミュニティサイトの24時間監視サービスや教育機関向けに提供している学校裏サイト対策を行うサービス、Flashゲームや占いをはじめとしたエンターテインメントコンテンツの提供など、多方面に事業展開を行っている。最近ではFacebook上での投稿監視やソーシャルアプリ運営のためのユーザーサポート業務にも力を注ぐなど、インターネットの上のコミュニティに関連したあらゆる業務を手掛けている。
そんな同社が提供している各種コミュニティサービスを支える基盤には数多くの1Uサーバーが活用されているが、サーバー群が設置されているデータセンタの設備が古く、ラックの数や使用できる電源容量が限界を迎えることに。そこで、可能な限り省電力仕様で省スペースサーバーを用いることで、ラックあたりの集積率を高める必要があったと語るのはR&D本部 運用技術部の佐々木 喜徳氏だ。「データセンタ自体の能力を勘案しながら集積率を高めるべく、省スペース設計の1/2Uサーバーの採用を検討したのです。」
R&D本部
運用技術部
佐々木 喜徳氏
安定したハードウェアでホットスワップにも対応、扱いやすさが大きな魅力に
そこで、以前から付き合いのあるベンダに紹介してもらった1/2Uサーバーを増設する形で導入し、運用を開始した同社だったが、集積率を高めたことでHDD障害も目に見えて増えていったという。同部 部長の佐野 直也氏は「障害復旧時に苦労したのが、採用した1/2Uサーバーがホットスワップに未対応だったことです。HDD障害が発生するたびに筐体ごと交換せざるを得ず、オートリビルドにも対応していない状況でした。」とその当時の苦労を振り返る。
また、Linuxとの親和性に関しても不満な面もあったと佐野氏。「対応しているかどうかが表立って明らかにされておらず、必要なLinuxディストリビューションが使えるかどうか毎回確認せざるを得ませんでした。逆に、我々のほうで試したディストリビューションをベンダにフィードバックする、なんてこともあったのです。」
先進的なIT企業である同社は、自前で環境を作り込むのが当たり前の状況となっており、一般の企業に比べて技術的な情報を求める場面も多い。しかし、当時のベンダでは十分な回答が得られないことも多かったと佐野氏。
そんな中、2009年にデータセンタの移設計画が持ち上がり、新たな基盤構築のためのサーバー選定を再び行うことになったと佐々木氏。そこで出会ったのが、ATWの1/2Uショートレングスサーバー「radservシリーズ」だった。「実は、このタイミングで1/2Uサーバーを提供している複数の企業を試験的に採用してみたのです。しかし、RAIDカードの接触不良など”建てつけの悪さ”が目立つものも多く、HDDを入れ替えるだけでちょっとしたコツが必要となるなど、設置するだけで苦労せざるを得ない場面も。その点、ATWの製品はハードウェア的に安定していて、ホットスワップにも対応しています。Linuxとの親和性も高く、我々にとって非常に扱いやすい製品でした。」そこで、同社が提供するサービス基盤の中核として、radservシリーズが採用されることになる。
豊富なラインナップで用途に応じて選び分けが可能、主力サーバーとして積極採用
radservシリーズ
導入当初は10台前後だったATWのradservシリーズだが、現在は障害対応のための予備機も含めて170台を超えており、複数の機種が現場に投入されている。CPUやメモリなど基本的な構成が決まっており、RAIDはあらかじめ組まれた状態で納品されている。用途に応じて機種を選び分けており「WebサーバーやDBサーバーなどHDDの容量よりもパワーが必要な場合はradserv ZX、複雑なネットワークに対応する場合は4ポートが標準で搭載されているradserv ZG、といった形で5種類ほどのradservシリーズを使い分けています。豊富なラインナップがあることも大きな魅力の一つです。」と佐野氏は評価する。
以前1Uサーバーを活用していた時代と比べ、現在はデータセンタの移設によってラックあたりの電源容量が増えたことで、1つのラックに2倍以上のサーバーが搭載できるようになるなど、集積率の向上に大きく貢献している。導入しているサーバーは安定的に稼働している状況で、サーバーを抜き差しする際の保守性も高いと現場からも評判だと佐野氏。実はサービス提供する基盤としてだけでなく、社内サーバーをATWのサーバー上で構築して回線の冗長化を図るなど、拠点の主力サーバーとしてもATWが活躍している状況だ。
他にも、ATWはCentOSやFedoraなど様々なディストリビューションをサポートしており、Linuxとの親和性も高い。機種によっては最大4つのNICにも標準対応しているため、複雑なネットワーク設計にも十分耐えられるようになっていることも大きな評価のポイントだ。さらに、ディスクレスで購入することができるという構成の柔軟性も、自社で作り込む機会が多い同社ならではのポイントとなっている。
安定した稼働を続けているサーバー品質もさることながら、現場作業の際には目立ちやすい”赤い筐体”であることが一つのポイントになるケースもあると佐々木氏。「データセンタにいる現地作業者に “赤いサーバーの、このラベルが付いているサーバー”と電話で指示することで、サーバーを取り違えることがありません。可視化しやすいという部分もちょっとしたポイントですね。」
営業的な対応面では、その製品開発に対する姿勢を佐々木氏は評価する。「普段話をする中で、次の機種の参考にさせて欲しいという話はよく出てきます。ユーザの声に真摯に耳を傾けるという姿勢は大変すばらしいことです。」また、ATWが運営しているデータセンタのノウハウを営業場面で聞くことができるなど、自社の環境整備の場面で役立つ情報も入手しやすくてありがたいと佐々木氏。
新たなサービス展開時の有力な選択肢として検討
今後について佐々木氏は、「ビッグデータやBCPなど、現在のIT業界には様々なキーワードが飛び交っています。これらに関連したサービスを提供することを視野に入れた場合様々な切り口が考えられますが、いずれにせよ何らかの基盤が必要になってくるはずです。その基盤としてATWは有力な選択肢として念頭に置いています。」と語る。また、自社のサービスをDR(Disaster Recovery)化して有事に備える環境を整備するなど、必要に応じてATWのサーバーを今後も利用していきたいと展望を語っていただいた。
■本事例の取材対象者
R&D本部 運用技術部 部長 佐野 直也氏
R&D本部 運用技術部 佐々木 喜徳氏
R&D本部 運用技術部 杉岡 正章氏
株式会社ガイアックス
- 所在地
- 東京都品川区西五反田1-21-8 KSS五反田ビル8階
- 代表者
- 代表執行役社長CEO 上田 祐司
- 事業内容
- 社内SNSやブログなどソーシャルメディアをはじめとしたコミュニティ関連事業を展開しており、ソーシャルアプリサポート、風評監視などWebに関連した様々なサービスを提供。Facebook上での投稿監視やソーシャルアプリ運営のためのユーザーサポート業務にも注力。
- URL
- http://www.gaiax.co.jp/